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『クリーニング業発祥の地』と書かれた薄茶色の大きな石碑を見つけ、そう言えばクリーニング屋に出しっぱなしで取りに行ってないことを思い出した。
それもお急ぎ指定をしたのに一週間以上取りに行ってない。
間違いなくスタッフのおばさまに、毎日とってもお忙しいのねぇ、なんて嫌みを言われるのが目に見えるようで、朱音は遠い目をした。
実は先ほどまで、みなとみらいにある高層ホテルにあるレストランで、父親から勧められた男性と無理矢理見合いをさせられた。
初回から一対一、拷問である。
歳は朱音の10歳以上も上でどこぞの一流企業にお勤めらしいが、そんな会社に勤めているのにその歳で結婚していないあたり嫌な予感はしたが見事的中した。
その男のきつい香水と自慢話しと説教までしてくる自己中心的な性格に朱音は心底うんざりし、ずっと作り笑顔で乗り切ると、もう少しどこかご一緒にと言い出した男にこの後予定がありますのでと断って逃げてきた。
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