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2つ年上の彼とは、私が高校1年生の時に付き合い始めた。
入学式を終えた翌日。
部活紹介でバスケをする彼の姿を見て、一目で恋に落ちた。
焦げ茶のくせっ毛は柔らかそうで、色素の薄いダークブラウンの瞳は透き通っていて、クールな外見とは裏腹に笑った顔はどこか幼く見えて。
マネージャーとして入部して共に時間を過ごすうちに、見た目だけじゃない、内面だって大好きになった。
私がミスをして先輩マネージャーに怒られた日には、帰り道にこっそり肉まんを奢ってくれた。
接戦の末試合に勝って思わず泣いてしまった時には、笑いながら頭を撫でてくれた。
テストの点数が悪くてへこんでいた時には意地悪気な笑みで私を馬鹿にして、でも最後にはテストに出やすい範囲を教えてくれた。頑張ったらご褒美をあげる、だなんて言われて猛勉強したこと、今でも鮮明に憶えている。
92点の答案用紙を見せたら私以上に喜んでくれて、帰り道にアイスを奢ってくれたっけ。
彼が卒業してしまう日、私は駄目元で想いを伝えた。
そうしたら「俺もずっと好きだったよ」って言ってもらえた。
涙が出るくらい嬉しかった。
今の私は世界一の幸せ者だって、そんな恥ずかしいことも公言できてしまうくらいに。彼は「大袈裟だな」なんて、優しい笑みを浮かべていたっけ。
――彼は、いつも優しかった。
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