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うへえ……
バスで30分超、ようやく降り立ったバス停で、僕と孝は顔を見合わせた。
林の中に挟まれた坂を登って登って、たどり着いた天皇の間記念公園前。
バスを降りると同時に、じんじんと照りつける太陽、耳につんざくセミの声。
目の前には木に覆われた中、建物が1つ。
木が繁っていて道沿いからは全容が見えない。道を乗り越えてもそれは変わらなかったらどうしよう、という不安が2人を襲う。
「……なんでこれ選んだんだっけ」
汗を拭きながらつぶやく孝に
「……じゃんけんで負けたからだよ」
僕は疲れた声で言った。
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