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その日は、季節外れの花火をしようとしていた。
日本中が夏の行事を楽しんでいる時期、俺らの大学ではテスト期間の真っ只中だった。
だから夏らしいことは殆どすることがなく過ぎていった。
そこで夏らしいことをしたいと言い出したのは君だった。
テストがひと段落した9月。
お疲れさまを兼ねて、仲のいい男女4人で飲み会をしていた時だった。
今さら感強くないか? と俺は笑った。
でもやりたいじゃん? と君は言う。
もう1人の女友達にも共感を求めていた。
君は俺より全然体が小さいくせにアルコールには強かった。
顔色は変わらないが、耳はほんのり色づいている。
改めて君に見惚れていたら、隣にいる男が大賛成した。
いいじゃん!やろうよ! と身を乗り出す。
この男は俺の1番仲のいい友人だ。
そして、君の好きな人でもあった。
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