遅れてやってきた君との夏

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気づいたら抱きしめていた。 抱きしめるつもりなんて、無かった。 本当に無かったんだ。 だけど、そんな顔をされてしまっては抱きしめないわけにいかなかった。 思った通り、君は驚いていた。 しかし君は突き放したりしなかった。 短い時間だが、ずっと俺の胸の中にいた。 だがそれは、俺の事が好きだからではない。 そんなのは分かっている。 虚しいくらいに分かりきっている。
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