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一縷の望み、というけれど
私にはもう、そんなものはない
何度も、何度も、同じことの繰り返し
心も、身体も、傷だらけ
治ったかと思えば、また新しい傷が増えて
でも、あなたは優しかったから
望みを捨てきれなかった
愚かな私
自分を守るために過去を美化して
気づかないフリした
だけどね、もう無理みたい
どんなに自分を誤魔化しても
現実は変わらない
美しい夕暮れの景色も
清らかな川の流れも
あなたのあたたかな体温も
すべて現実のものだけど
私の心を揺さぶらなかった
あなたの背中に、自ら手を回すことはない
固く握った手
それは、私の心
さよなら
私は、もう揺るがない
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