第1章 出会い編  プロローグ

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第1章 出会い編  プロローグ

 扉を開けると、窓が閉まったままの部屋の中は真っ暗だった。  いまは夜の10時。  初めて入る部屋だったので、後ろ手に扉が閉まってしまえば、電気のスイッチの位置がわからない。  それでも、扉をふたたび開けることをせず、ボストンバッグをぶらさげたまま、これからここで独り暮らしをはじめることになったわたしは、しばらくその場に立ち尽くした。  なんといっても、夢の独り暮らし!  独り暮らしの大変さは、全然心配していない。  というか、能天気なわたしは、はじめから考えていなかっただけなんだけれど。
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