魔法使いの秘密基地

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魔法使いの秘密基地

一  「これは、ぼくときみたち読者だけの秘密だよ」  魔法図書館の読書コーナーで、ペイジ・トールキンは一冊の本をテーブルに置いた。読者の想像に全てを委ねる、飛び出す絵本だ。 そんな絵本の最初の読者に選ばれた、ヨッピー・ブレーメンは、絵本の最初のページを捲り、何も書かれていない白紙であることに面食らうが、これが「召喚魔法」を使うための魔法の本であることがすぐにわかった。  「ここに、お絵かきして、塗り絵をすれば書いたものを召喚出来るんだね」  魔法幼稚園という場所で、教えられた召喚魔法の使い方だ。  「召喚魔法は、紙がたくさんいる。持ち運ぶのに面倒だし、何の紙に何を書いたかがわからなくなるからね。だから、たくさんの紙を召喚して一冊の本にしたんだ」  「なるほどね。でも何ページに何を書いたのか、わからなくならないかな?」  「そういうと思ってさ、飛び出す絵本にはしおりを付けてあるんだ」  ペイジは、人数分用意した飛び出す絵本の角から紐を出してそう言った。
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