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――どういたしまして
な!? 彼女の声が聞こえた。僕はおもわずのけぞってしまった。
――待ち人がもう来ないことはわかっていました。でもずっと成仏出来なくて……、あなたの奥様になることは出来ませんが、これからは守護霊を務めさせていただきたく存じます。どうぞよしなに。目を閉じれば、姿も見えますよ。
言われたとおりにしてみると、たしかにそこには、これまで通りの彼女が見えた。
――これからも末永くよろしくお願いしますね。
この世のものとは思えない、美しい笑顔を見せる彼女を見て、僕は彼女とともに文壇に上がり、生涯をともにすることを心に決め、静かにうなづいたのだった。
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