決断

1/1

69人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ

決断

 その話を聞いて僕は迷った。彼女は今でも彼を待っているのだろう。しかしその人が現れる可能性は限りなく低い。どうしようか。  彼女の持っている情報をもとに屋敷があった辺りに行ったが、既に再開発されて何も無かった。支えてくれた彼女に何かしてあげたいと思った。もしかしたら死ぬことになるかも知れない。しかし、今何もしなければ一生後悔するだろう。それを背負って生きるくらいならば……。  死んでから評価される文豪もいる。僕は当時流行ったと思われる衣装を着て、彼女にプロポーズすることにしたのだ。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加