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ペットショップのバイトを始めて1ヶ月。他の店員よりも店のことを覚えたというね…。
「柊くんはさすがだなぁ。昔からよく来てくれてるもんなぁ」
「ありがとうございます」
うちには、猫犬鳥とペットがいるためお世話になっている店だ。
「他のやつらは、なーんかやる気がなくてなぁ」
あいつらはただ金が欲しいだけだ。
俺は、この動物たちと戯れられることが幸せだ!
まぁ、金は欲しいが。
「店長、めだか…飼ってみようと考えてます」
「へぇー珍しいね。魚も飼ってみたくなったのかい?」
「はい、生態についてもっと知りたいし。この辺にはいないし」
「なるほどな。でも大学の学費貯めてるのにいいのかい?」
「…やっぱり大学入ってからかな…」
「それゃ、自分で決めなきゃな」
難しいところだ。
「いらっしゃいませ」
お客様だ。
「あ、あの…柊くん」
ん?誰だろ?この子?
おどおどした俺の行ってる高校の制服を来た子が話しかけて来た。
「なにかお探しでしょうか?」
「私のこと、知ってますか?」
「知らない。なんなんですか?」
「前からずっと…好きでした」
しーん。
店長のいる前でこういうことよく言うわ。
「あの…俺、君のこと知らないんだよね。悪いけど」
「あ、隣のクラスの」
「ごめん。彼女いるし」
「そ、そう…」
「で、なにかお探しでしょうか?」
「いえ、さよなら」
そのまま店を出て行ってしまった。
なにしに来たんだよ!あいつ!
「もてるねぇ」
「いや、別に」
「彼女いるんだ」
「いますけどそれがなにか?」
「僕にも紹介してよねぇ~」
「…さっきの子はどうです?」
「えー、そんなの無理だろ?柊くんの熱烈ファンだし」
「もう振ったし」
「あっさりしてるなぁ…すげぇよ」
「店長、今から品出しするんで、この話はおしまいです」
「あ、あぁ」
ったく、何も見ないし、買わないくせに店に来るなよな!
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