初恋なの

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私、佐藤离緒は高校生になりました。それから、女優の仕事以外にグラビアもすることになっちゃった! もともと女優の仕事はちょい役とか、エキストラとかばっかり。オーディションは緊張して、全然うまくいかない。 なんでかわかんないけど、グラビアになったらお仕事が増えた…のは嬉しいんだけど…。 クラスの人に知られちゃって、离緒はますます一人になっちゃった。 「佐藤って脱いだらすごくね?」 「やだー、佐藤さんってグラビアとかやっちゃうわけ?」 うう、言い返せないよ。 グラビアのお仕事に誘ってくれた社長には感謝してるんだけど、なんだか…やっぱり学校では浮いちゃうなぁ。 「おい、离緒」 でも、同じクラスには私のお兄ちゃん的存在の亮伍くんがいるのです! 「お前、なにぼけっとしてんの?飯は?」 「あ、うん!お弁当あるよ~」 「さっさと食堂来いよな?」 「うん」 亮伍くんがいないときに、私の悪口をみんな言うんだよね~。みんな亮伍くんに嫌われたくないみたい。 食堂では、もう尚兎がご飯を食べながら待ってたみたい。 「おい、尚兎」 「なーに?」 「お前、俺のいない間にうどん食っただろ!」 「え?俺はカレーなんすけど~?」 「ちげーよ!食っただろが!俺の飯」 「亮伍くん、私の少し食べる?」 「ばか。离緒はちゃんと食え。尚兎、覚えとけよ」 「どーせ亮伍はくれって言っても拒否るじゃーん?だからー食べた」 「白状しやがったな。ったく、俺の分少なくね?」 それでも許してあげちゃう亮伍くん。優しいなぁ。 「柊くん、ちょっと…」 あらら、また違う彼女さん?亮伍くんまだご飯食べてないんだけどなぁ~ 「は?誰?」 「少し、お話をさせてほしいの」 あーあ。亮伍くん、廊下行っちゃったよ。 で、も!尚兎と2人きり!嬉しい! 「ね、ねぇ、尚兎は今度のお休みなにしてる?」 「は?ライブだしー」 「私も見に行っていい?」 「まじ?じゃチケット買って」 「うん!」 「柴田くーん」 あ、お話してたのに、知らない人男の人が尚兎のとこに来ちゃった。 「なんすか?先輩」 ひゃ、きっと軽音部の先輩だ!尚兎は部活に入ってないけど、無理やりやらされてるみたい。 「その子彼女?かわいいね」 「あれ、なんか見たことあるような?」 「あれじゃね?グラビアのさとこってやつ!」 「え?まじ?てかなんか聞いたことあるし!1年にいるって」 「やっべ。まじでか?」 ど、どうしよう。 「で?なんの話?」 尚兎、すごい落ち着いてる。私だけ慌てちゃって恥ずかしいなぁ〜 「いや、お前が女の子といるとか珍しくね?って思ってよ」 「は?そんだけ?うぜー」 「で?彼女なの?」 「違うし。うせろ」 …ほんとだったらいいのに。 「あー疲れた」 「亮伍おかえり!なに?また告られた?」 「そーですが?」 「振ったんだ!ひっでー」 「あのな、俺は今彼女いますから」 「へーそーなんだー。うざくなんないの?」 「今はね。あ!うどん冷えてるし!うわ、最悪」 可哀想な亮伍くん。
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