1人が本棚に入れています
本棚に追加
私、佐藤离緒は高校生になりました。それから、女優の仕事以外にグラビアもすることになっちゃった!
もともと女優の仕事はちょい役とか、エキストラとかばっかり。オーディションは緊張して、全然うまくいかない。
なんでかわかんないけど、グラビアになったらお仕事が増えた…のは嬉しいんだけど…。
クラスの人に知られちゃって、离緒はますます一人になっちゃった。
「佐藤って脱いだらすごくね?」
「やだー、佐藤さんってグラビアとかやっちゃうわけ?」
うう、言い返せないよ。
グラビアのお仕事に誘ってくれた社長には感謝してるんだけど、なんだか…やっぱり学校では浮いちゃうなぁ。
「おい、离緒」
でも、同じクラスには私のお兄ちゃん的存在の亮伍くんがいるのです!
「お前、なにぼけっとしてんの?飯は?」
「あ、うん!お弁当あるよ~」
「さっさと食堂来いよな?」
「うん」
亮伍くんがいないときに、私の悪口をみんな言うんだよね~。みんな亮伍くんに嫌われたくないみたい。
食堂では、もう尚兎がご飯を食べながら待ってたみたい。
「おい、尚兎」
「なーに?」
「お前、俺のいない間にうどん食っただろ!」
「え?俺はカレーなんすけど~?」
「ちげーよ!食っただろが!俺の飯」
「亮伍くん、私の少し食べる?」
「ばか。离緒はちゃんと食え。尚兎、覚えとけよ」
「どーせ亮伍はくれって言っても拒否るじゃーん?だからー食べた」
「白状しやがったな。ったく、俺の分少なくね?」
それでも許してあげちゃう亮伍くん。優しいなぁ。
「柊くん、ちょっと…」
あらら、また違う彼女さん?亮伍くんまだご飯食べてないんだけどなぁ~
「は?誰?」
「少し、お話をさせてほしいの」
あーあ。亮伍くん、廊下行っちゃったよ。
で、も!尚兎と2人きり!嬉しい!
「ね、ねぇ、尚兎は今度のお休みなにしてる?」
「は?ライブだしー」
「私も見に行っていい?」
「まじ?じゃチケット買って」
「うん!」
「柴田くーん」
あ、お話してたのに、知らない人男の人が尚兎のとこに来ちゃった。
「なんすか?先輩」
ひゃ、きっと軽音部の先輩だ!尚兎は部活に入ってないけど、無理やりやらされてるみたい。
「その子彼女?かわいいね」
「あれ、なんか見たことあるような?」
「あれじゃね?グラビアのさとこってやつ!」
「え?まじ?てかなんか聞いたことあるし!1年にいるって」
「やっべ。まじでか?」
ど、どうしよう。
「で?なんの話?」
尚兎、すごい落ち着いてる。私だけ慌てちゃって恥ずかしいなぁ〜
「いや、お前が女の子といるとか珍しくね?って思ってよ」
「は?そんだけ?うぜー」
「で?彼女なの?」
「違うし。うせろ」
…ほんとだったらいいのに。
「あー疲れた」
「亮伍おかえり!なに?また告られた?」
「そーですが?」
「振ったんだ!ひっでー」
「あのな、俺は今彼女いますから」
「へーそーなんだー。うざくなんないの?」
「今はね。あ!うどん冷えてるし!うわ、最悪」
可哀想な亮伍くん。
最初のコメントを投稿しよう!