旅行

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「ね~、今度の土曜日デートしようよ~」 「は?お前、何言ってんの?」 「え?なんで?」 「土曜日は模試だろ?」 「え?私受けないよ?」 「俺は受けるんですけど。言ったよね?しかも今勉強してるよね?」 わざとらしく勉強していた教科書を彼女に見せる。 「で、でも~終わってからとかは?」 「無理」 「え~なんで?」 「答え合わせしたいんだよ、わかんねーのか」 「え~全然わかんない」 「とにかく無理」 「じゃあさ~今日は?」 「お前、今勉強してんのわかんねーのかよ」 もう、無理だ。 「そうだけど~」 「もう別れる」 「ええ!!なんで!」 「うるせーから。おい、チャイム鳴ったぞ」 「ちょっと、なんで?私何かした?」 「勉強の邪魔したじゃん。自覚もないのか?」 さて、次の授業は数学か。 「そ、そんなの理由になんない!」 「おい、自分のクラスに帰れ」 なかなか帰らない彼女、いや、今は元カノだな。うざいな。 「はい、授業始めますよ?あら?あなた隣のクラスの子じゃない?」 先生もう来たんですけど。俺の席は一番前だし、超見られてんですけど。 「柊くん!なんで?ちゃんと説明して!」 「おい、説明しただろが」 「あなた、教室に戻りなさい」 「柊くん!」 ばんっと机を叩かれた。不愉快極まりない。 「お前、もう授業中なんですけど」 「そうじゃなくって!」 「だからそういうとこが嫌なんだよ。別れるって言っただろ」 「そ、そんな」 元カノはやっと去って行った。ったく、顔はいいのに性格だめだめじゃねーか。 「先生、すいません。授業進めてください」 「あ、はい」 ほらみろ、先生は動揺してるじゃねーか。
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