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そんな彼と先生の会話を聞いて、みんな少しびびってるようだ。この学校ではそんなチャラチャラしたやついねーから珍しいし、なんとなく怖いのだろうな。
「あ~!亮伍!」
はぁ、面倒くさいな。
「うっそ~同じクラスとかー?」
「え、柊くんの友達?」
「知り合いなのか?」
急にクラスがざわつく。全く、世話がやけるやつだな。
「こいつは近所に住んでんだよ」
「ええと、柊くん」
「はい?なんでしょうか先生?」
先生が助けを求めている。
「柴田くんに校則を守るよう、よく言ってください。席は後ろの空いている席へ。では終わります」
先生はそそくさと去って行った。めんどくさいやつを担当しちまったと後悔してるんだろうなぁ。
尚兎はクラスの人にいつのまにか囲まれていた。アイドルかよ。
「あの~俺~席につきたいんですけど~」
うわ、取材拒否。そんで机に着席するなり寝るとか…どこのヤンキーじゃ!
授業が始まっても寝ている。こいつ…やる気ねぇー
先生たちはチャラいこいつをちらと見てるが、特になにも言わない。いや、なんか怖いし言わないのかも。
「おい、お前昼だぞ」
「えぇ~ご飯?」
「給食だ」
「ご飯食べる~」
能天気だ。なにがしたいんだか。席は離れているから話せないが、尚兎は質問攻めされているようだ。しかしそれを知らねぇとかすげー嫌そうに言ってるんですけど。協調性のかけらすらないな。
「柊くんは柴田くんといつ仲良くなったの?」
そんな俺も質問攻めにあっている。
「引越し手伝ったとき。別に仲良くはないけど」
「でも柴田くん名前で呼んでた…」
「知らん。あいつは軽々しいんじゃないのか?」
「彼女とかいるのかな?」
「さぁね」
「友達がかっこいいって言ってたから…狙ってるみたいだよ」
…本人次第だな。
「俺はわかんない」
放課後になると柴田の周りには女子生徒がたかってる。
しかし…それを掻き分けて逃げる柴田。
ひどいやつだ。
「亮伍!帰ろうぜ!」
目が覚めてる?だらだらしゃべらないじゃねーか!どういうことだ?
「女子はあのままかよ?」
「は?彼女いるかって聞かれたからいねーよ、別にいらねーよ?って言っただけだし」
あっさりだな。
「そーいう亮伍は?いるの?彼女?とかー?」
なんでそんなにばかにした顔なんだ。わけわからんな。
「いるし。隣の席のやつ」
「え、まじ?意外!」
その人が意外なのか、俺に彼女がいるのが意外なのか…?
「お前さ、髪とかなんとかしろよ、せめて色はなんとかしろ」
「うん。でもピアス穴は許してよ!」
「知るかよ!」
「亮伍、俺のこと尚兎って呼んでよ!お前とかなんか切ないんですけど!」
「俺は仲良いやつはお前って呼ぶけど?尚兎でいいのか?」
「えー!?じゃあどっちも!」
なんだよそれ。
子供か!
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