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預言者のいる教会。
(十一)白装束の何が悪いんじゃ
やがて耕輔は学校へ戻った。学校での耕輔の勤務態度は余り良くなかった。しかし、生徒からは信頼されていたようであった。先述したように耕輔はこの時四校目の学校に勤務していた。結婚して、本土の学校に転勤になったのだが、他の教師との折り合いが悪く、やや程度の低い学校に転勤希望を出したらあっさりと通ったので、そこで腰を落ち着けていた。まさかこの教師が殺人や放火をやらかしている教師だとは誰も思っていなかった。しかし、耕輔にとってそのような「秘密」を持っていることは影の自分を演じているようで楽しいものであった。
実際、耕輔には三つの顔があった。凡庸な駄目教師としての顔、教会へ通っているクリスチャンとしての顔、そして殺人放火魔としての顔である。
三学期になって学校も忙しくなってきた。この学期末には生徒の指導要録を作り、評定も出さなくてはならない。そんな折、耕輔にとっては忘れかけていたあのカルト教団のことがマスコミで取り上げられ、ちょっとした騒ぎになった。何でも、電磁波を避けるためにワゴン車数台を連ねて道路を不法占拠している集団があると騒がれ始めたのだ。耕輔のアパートにはまだ、その頃のカルト教団の本や機関誌などが堆く積まれていた。
「オウムの再来か。電磁波集団、ワゴン車で移動中」
そんな大見出しが新聞各紙を賑わせ、テレビでもワゴン車の隊列が放映された。そして、もう今は何の関係もない耕輔であったが、授業中につい口に出してしまったのだ。
「今問題になっている白装束の集団なあ、俺昔入ってたんや」
そう言うと来岩現正法の機関誌や本などを持ち出して生徒に見せた。そして、これが大問題になったのだ。
「先生、白装束に入ってたんや」
「わー。気持ち悪い。先生近くに寄らないで」
また、面白がって男子生徒もやってくる。
「先生、人殺したことある?」
耕輔は俊介のことを聞かれているのかと思って一瞬言葉を詰まらせたが、冷静になって聞き返した。
「ないよ。どうして?」
「でも、先生白装束にいたんでしょ」
さあ、大変なことになってきた。まるで耕輔の犯罪が発覚したような騒ぎである。そこで耕輔は英国に住む妻の姉に電話を入れた。彼女はことあるごとに耕輔の相談相手になっていたが、日本の現況に疎く、相談して上手くいったためしがない。しかし溺れる者はわらをも掴むで、どうしたらいいか国際電話で話した。
「え?耕輔さんはクリスチャンじゃなかったの?とにかく関係ないんだから校長先生に相談したら?」
そこで耕輔は校長へ相談に行った。
校長室へ向かう耕輔。
校長室の扉をノックすると、中から校長の声が聞こえてきた。
「どうぞ」中には眼鏡を架けて気の弱そうな校長がふんぞり返っていた。この校長は気が弱いことはその容姿から一目瞭然である。しかし、どこの世でも自分の気の弱さを隠すために威張り散らし、それによってアイデンティティーを保っている人間というものはいるものである。この校長はそのような人間の典型であった。
「一体何ですか?」
「あのー、実は今問題になっている白装束の団体ですが、来岩現正法ですけれど、私昔それに入ってまして、その機関誌や本を生徒に見せたら気味悪がられまして、どうしたものかと相談にきたのです」
「何?この本見せたんか。それはまずいなあ。とにかくこのことは教育委員会へ報告する」
耕輔は我が耳を疑った。こんなことを教育委員会に報告する必要などどこにあるのだろうか?しかし気の弱い校長は事が重大化する前に機先を制し、「私は関係ありませんでした」と言うつもりなのだろう。耕輔はこの仕打ちに腹が立ってきた。なぜ相談しようと思っただけなのに教育委員会まで報告されるんだ?ここまでして保身に走るこの男は今までこんなやり方で校長まで上り詰めたのか?そこで耕輔は気力を振り絞って尋ねた。
「これは現代社会の授業で見せたものですよ。現在ニュースになっていることを教えて何か問題でもあるのですか?」
「授業と関係のない宗教的な本を見せること自体が問題なんや」
「それならば、前音楽室からアメージング・グレイスが聞こえてきたんですけど、あれはキリスト教の音楽じゃないですか?」
校長は暫く言葉を詰まらせたが、鬼の首を取ったように大声で言った。
「あれは教科書に載っているからいいんや」
耕輔は思った。キリスト教は既に市民権を得ている。だからアメージング・グレイスが教科書に載るなどという「暴挙」が許されるんだ。しかし、本当のキリスト教をこの校長は知っているのか?俺はこのキリスト教の信者であって、人を殺しているし、放火もしている。それが既成宗教だからといって許されるのならもっと犯罪を犯してやる。日本中の神社仏閣をことごとく焼き払ってやる。今に見ておけ。
そして、帰宅してから妻と口論になった。
「あなた、キリスト教徒だと思って結婚したのに昔こんなカルトに入っていたの?」
「そうじゃ。悪いんか?何か文句あるのか?」
この妻は耕輔がこのカルトのために精神に異常をきたし、また志恩ちゃんという大切な生徒からそっぽを向かれたことなんか知らない。そこからキリスト教に至るまでの精神の遍歴も知らない。耕輔は志恩ちゃんとのことを思い出し、何でこんな妻と結婚したのか後悔の念が起こってきた。そして次の瞬間、耕輔は食事が並べてあった机をひっくり返し、大暴れし始めた。
「白装束の何が悪いんじゃ?白装束が悪いんやったら四国のお遍路さんも悪いんか?」
あまりの剣幕に恐れをなした妻は携帯で警察を呼んだ。警察は即座に駆けつけてきた。
「ご主人、どうされたのですか?」
「俺が昔来岩現正法に入っていたというだけでこいつが気持ち悪いとぬかしやがったんじゃ!」
「わかりました。それなら明日公安の者が参りますのでお話をお聞かせ下さい」
こうして妻は実家へ帰り、翌日に本当に公安がやってきた。公安というのは警察でもエリートだと聞いていたが、他にやることがないのか?
とにかく、耕輔が学校から帰宅すると、けたたましいインターフォンの音が鳴った。
「すみません。公安の者ですけど、杉村さんはご在宅ですか?」
「杉村さん、公安です。開けて下さい」
公安は二人で来ているようだ。
「はい。今開けます」そう言って耕輔は扉を少し開けると、二人の私服の男が立っていた。
「あなた方が警察の方かどうか証拠を見せて下さい」
二人の男は警察手帳を開いた。耕輔は「どうぞ」と言って二人を家に上げた。
二人はテーブルの椅子に腰掛けると、名刺を差し出した。一人は警部でもう一人は警部補という肩書きである。暫く沈黙が続いたが、警部の方がおもむろに口を開いた。
「本県で来岩現正法の信者を知っていたら教えて頂きたいのですが」
「はい、いいですよ。でも私が入っていたのはもう十年以上前のことですけど---」
こうして耕輔はかつての仲間の二、三人を警察に「売った」。
公安の刑事は何か聞いたりメモしたりしていたが、「ありがとうございました」と丁寧に告げて帰っていった。
こうして、この一件は落着した。妻も間もなく帰ってきて、生徒達も何も言わなくなった。この騒ぎは何だったのだろうか?
そして、それから幾日か経って、耕輔は知り合いの教師で元全共闘の闘志だった先生に連絡し、事の顛末を伝えた。彼は言った。
「キリスト教なんかカルトやないか?カルトやから迫害されてきたという歴史を忘れたのか?」
そう。キリスト教は大成功したカルトなのである。独自の終末思想を持ち、ローマから危険視されてきたれっきとしたカルトなのだ。
今でこそ市民権を得ているが、元々はカルトだったのだ。そこで、意見を聞くために耕輔は同じクリスチャンで別教会の信者である志恩ちゃんの友達のご主人のPCにeメールを送った。
「私の家に公安が来ました。元来岩現正法の信者だったということで色々と聞いて帰りました。でも理性的に考えればキリスト教もカルトなのに、変な話ですね」
速攻で返事が返ってきた。
「あなたのメールの最後の部分は十分に非理性的だと思いますが」
とにかく、一件落着である。これからも耕輔は校長からいじめられ、同僚に仕事が遅いとなじられ、生徒達からも馬鹿にされるという日常に逆戻りしたのだ。
ところで、彼の入っていた聖霊派の教会では何が教えられていたのだろうか?それを少し解明していこう。
(十二)預言者のいる教会
耕輔が所属していた教会はキリスト教プロテスタント聖霊派の教会の中ではかなり大きな教会であった。信者数は約五百人。クリスチャンの少ない日本の教会では大所帯である。一回の礼拝では全員が入りきらないので一日三回礼拝が行われていた。
礼拝は先ずはドラムやエレキギターを使った派手な聖歌やゴスペルソングから入っていく。教会というと「静かな所」をイメージする人がいるが、そんな人がいきなり行ったら度肝を抜かれるであろう。聖歌に合わせて踊っている人もいれば、手拍子をたたく人もいる。
そして、派手な賛美がすんだら牧師のメッセージがある。その言葉は確信に満ちていて力強い。その日も牧師の力強いメッセージが始まる。
「皆さん、我々の敵には四つのものがあります。一つは拝金主義、もう一つは共産主義、もう一つは進化論、そして日本の伝統宗教です。皆さん、アーメンですか?」
賛同した会衆が一同に答える。
「アーメン」
「イエス様のなさった奇跡は今でも起こります。この教会へ来て病気が治った方がいらっしゃったら手を上げて下さい」
会衆の多くが手を上げる。
「イエス様は盲人の目を開かせ、湖の上を歩き、何もなかった所からパンを出して五百人の人々に食べさせました。皆さん、信じますか?信じる人は大きな声でアーメンと言って下さい」
「アーメン!」
「死人の復活なんかないというサドカイ派の人達がいましたが、それは現代で言うと科学万能主義の考えです。間違っています。アフリカの○○○先生は死人を蘇らせています。皆さん、神様の力です。信じる人はアーメンと言って下さい」
「アーメン!」
「仏壇は江戸時代にキリシタンでないことを証明させるために江戸幕府が置かせたものです。神様はこのような偶像を最も嫌われています。仏壇を持っている人、お守りを持っている人、それからえべっさんの笹なんかもってる人はいませんよね?もしあったら早速処分しましょう」
---こんな形で牧師のメッセージが進められ、それが終わると、祝福の歌を歌って散会になる。これが聖霊派の最も一般的な礼拝形態である。ただ、聖霊派は聖霊のことを「聖霊様」と呼んだり、また異言の祈りなんかがあるので、日本キリスト教団の教会や自由主義神学の教会などからは異端っぽく見られてもいた。しかし、病気が治ったり、ヤクザが改心したり、悪霊が出て行くような現象は日常茶飯事のように起こっていた。
耕輔は、この教会に友人を連れてきたことがある。その時には友人に取り憑いていた悪魔が大暴れした。
その友人は○○○の証人に入っていたが、どこかで道を踏み外してしまい、次々と女性に手を出して自称だが「五百人斬り」を達成したと言っていた。勿論、人妻にも手を出し、ヤクザの女にも手を出し、水子まで作っていた。普通のキリスト教に行きたいと言ってこの教会までやってきたのだ。
そして、帰りがけに牧師が耕輔と友人を呼び止めた。
「そこの黒いジャンパーを着た方、あなたです。悪霊が憑いていますので今から悪魔払いをします」と言った。
耕輔と友人は牧師の講壇まで進み出た。そして、その友人の肩に 牧師が手を置き、異言で暫く祈っていると、友人が口を開いた。
「お前は誰だー?何の権威があってこんなことをする?」
「私はイエス=キリストに仕える者だ。悪霊出て行け」
「嫌だ。こいつは俺様にとって最も住みやすいんだ。お前は一体誰だー?」
「イエス=キリストの御名によって命じる。悪霊、この者から出て行け!」
「嫌だー。お前は一体誰だ?」
「お前こそ一体誰だ?」
暫く彼は何か考えているようだったが、もう一度口を開いた。
「俺様はルシファーの家臣だ」
こんなことが行われている教会である。まあ、実際はカルトと見なす人々も多くいた。しかし教会が余りにも大きく、その存在も無視できなかったので、「カルト」扱いはされてはいないようであった。
しかし、来岩現正法を脱退してクリスチャンになった耕輔から見れば、「やっとこれで『まともな』信仰にたどり着いた」と考えたとしても不思議ではなかったのかも知れない。事実、キリストも悪魔払いを行っていたことは聖書でもはっきりと伝えられている。
また、こんなこともあった。牧師がルカ伝8章28節から話をしようとしていた。ここはキリストの悪魔払いとして有名な箇所である。すると、一人の女性信者が大声で叫びだした。やや年輩の女性信者である。綺麗な花柄のワンピースを着込み、いつもおしゃれにしている女性だ。
「わー!そこを読むのはやめてくれ!頼むからやめてくれ!」
典型的な悪魔憑きの現象である。ここぞとばかりに牧師が大声で叫ぶ。
「悪しき者、この者から出て行け!」
「いやじゃー。わしは出ん」
「もう一度イエス=キリストの御名によりて命じる。悪魔よ。この者から出よ!」
すると、女性信者は急にそこにどどっと倒れ込んでしまった。
男性信者数名が女性を抱え込んで隣の和室まで運ぶ。
これがこの教会での日常風景であった。そしてある日、牧師が家が島での放火・殺人事件のことに言及した。
「皆さん、今家が島で盛んに事件が起こっていることはご存じだと思いますが、クリスチャンはそんなことしませんよね。あくまでも愛の実践と宣教で戦っていきましょう。イスラム教徒のような過激なことはしてはいけません。アーメンですか?」
「アーメン」
ところが、当然ながら耕輔は「アーメン(然り)」の一言が言えなかった。そしてその時、前方の席に陣取っていた女預言者が叫んだ。その預言者は年の頃は五十代だが、すっぴんの顔をしているので若く見えた。そして大声で言うのだ。
「この中にいる!主の御告げだ。この中に天上はおろか地上の法を犯した者がいる」
一同はざわめいた。
「おい、また女預言者が何か言ってるよ。この中に家が島の連続放火魔がいるらしいぞ」
「そんな預言なんか当たるものか?いつものはったりだよ」
信者達がそんな話を始めた。牧師も黙っていられない。女預言者に聞いた。
「それは本当ですか?一体誰なのか分かりますか?」
女預言者は答えた。
「誰なのかまではわかりません。しかし、この中にいるのは事実です」
大変なことになってきた。しかし牧師は落ち着いていた。そして言った。
「クリスチャンは現世の法にも従わなくてはいけません。もしもそのような方がいるならば早急に自首して下さい」
そして女預言者はさらに続けた。
「その者は殺人も犯している。家が島のおかま殺しや。主の御告げや」
一同はさらにざわつく。しかし、牧師はそれを鎮めるかのようにゆっくりと口を開く。
「汝殺すなかれ。これは十戒にある大切な律法です。我々は宣教に力を入れなければなりませんが、殺してはいけません。もう一度警告します。自首しなさい。さあ、他に預言はありますか?山垣さん?」
「いや、もうない。だけれども神は警察へ出頭するように促しておられます」
耕輔はもう恐れてはいなかった。自分を指さされたのなら、あのイスカリオテのユダのようだけれど、それはないようだった。しかし、出頭なんかするものか。俺は牧師が普段言っていることを実行したまでだ。正しいことをしたんだ。そう思っていた。洗脳が完成されていたのだ。しかし、それは彼の内面からの「洗脳」であって、かのカルト教団にいた頃のとは違う。耕輔は「洗脳」を二度味わい、身も心も楽になっていたのだ。これは誰にでもできる体験ではない。あのカルト教団を辞めた時のような不安も実存の崖っぷちに立ったような恐怖感もなかった。ばれなければいいんだ。神は何度も異教徒を皆殺しにするように命じたではないか?ここで引き下がっては俺の信念に、いや、沽券に関わる問題だ。そうも思った。幸い、誰も耕輔が犯人だとは思っていないようである。預言者もこれ以上は何も言わない。だれが出頭なんかするものか。
その後、牧師は何事もなかったかのようにメッセージを終えた。
そして、これが耕輔の日常の教会生活であった。
そしてそんな折、刑事の半田が教会にまでやってきた。
*
耕輔はいつものように教会の礼拝に出席していた。そして、牧師のメッセージが終わると、牧師が「今日初めて教会に来られた方」と言って名前を読み上げた。
「半田啓介さんと望月登さんです。刑事さんですよね。よくいらっしゃいました」
全員が拍手をする。しかし耕輔は不快な気持ちで聞いていた。教会へ来た目的はわかっているからだ。耕輔を疑っているのだ。案の定、教会を出た所で耕輔は半田と望月に呼び止められた。
「先生、なかなか過激な教会ですなあ」
「そう映りましたか。過激と言っても聖書をそのまま信じているだけの教会なんですが---。ところで、まだ私を疑っているのですか?」
「そうですなあ。今日の牧師の話では日本の伝統宗教は敵だとはっきりと言ってましたねえ」
「それが事件と何か関係あるのですか?」
「大ありです。このような考えを持った人が神社仏閣を放火したとしても不思議ではないでしょう」
「しかし、牧師は暴力は肯定していません」
「しかし、これを聞いて神社や寺を敵視して犯行に及ぶ人もいるんじゃないかと思いましてねえ。先生はそうは思いませんか?」
「まあ、そんな思想を持った人もいるかも知れません。でも、それと事件を結びつけるのならイスラム教や、また他のキリスト教会も関係あるかも知れませんよ」
「それと、何か預言者という方が犯人はここにいると言ったという話も聞いております」
「刑事さんはいつから預言者なんか信じるようになったのですか?本当にこの中に犯人がいて、それが私だと---」
「いや、そうは言っておりません。でも私達も気になる所はしらみつぶしに調べているんですよ」
「ふーん。それはご苦労様です」
「先生は日本の伝統宗教をどのように思っておられますか?」
「偶像崇拝だと牧師が言った通りです。でも寺社仏閣を放火しろなんて牧師は一言も言ってはおりません」
「そりゃそうでしょう。そんなことをクリスチャンみんながやっていたら日本中火事だらけですよ」
「だったらどうしてこんな所までつけ回すのですか?」
「いや、刑事が教会へ来てはいけないんですか?」
「いや、そう言うわけではありませんが---」
「だったらいいじゃないですか。とにかく勉強になりました。また来ます」
「また来るんですか?」
「牧師さんも『また来て下さい』って言ってましたよ」
「そうですねえ。どうぞご自由に」
「はい、自由にさせていただきます」
その帰り、半田は望月と話していた。
「半田さん、こんな所へ来ても何もつかめないと思うのですが---」
「いや、奴の思考回路というのが知りたくてね」
そしてある日、耕輔は十年ぶりで志恩ちゃんに会った。
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