きっとかっこいいスーパーマン

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きっとかっこいいスーパーマン

 僕がスーパーマンの助手になってから家の前にあの車でよく迎えに来るようになった。  「やぁ! それじゃあいこうか」  「あのどこに?」  「じつはな……向こうの家でお婆さんが高いとこの物がとれなくて困っているらしいんだ」  「はぁ……?」  ぼくは、はやく乗ったとせかされ乗車した。5分ほど車を走らせた辺りで確かにお婆さんがいた。何かに手を伸ばしている。  そちらに目を移すと木に風船がひっかかっていた……。  「何やってるのお婆さん」  ぼくが質問するとゆっくりとこっちを向いて言った。  「いやぁね、風船で遊んでいたらひっかかっちゃってね」  ぼくは心の中で何やってんだこの人と思った。スーパーマンにも何やってんだこの人と思った。  「よし! とってあげるぞ!」  スーパーマンは困ってる人を放っておけない。どうやってとるんだろう?背伸びをしてもとることはできなそうだ。  飛ぶのかな、大きくなるのかなと期待しているとスーパーマンは言った。  「肩車だ」  「飛べよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」  今までで一番大きな声が出たかも知れない。  
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