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小さなお店だった。
そのわりに、これほどの商品を売りさばけるのかと思わせるほど、四方を囲むすべての戸棚の天井ぎりぎりまで、隙間なく大小の箱が積み重ねてあるさまは、むしろ壮観だった。
しかし、視線の延長上に見える、手のひらで包めそうなほどの小さな箱を、そっと抜き取ったとしても、すべての箱が崩れ落ちてしまいそうに、箱のひとつひとつから目に見えない緊張感が伝わってくる。
だから、髪の毛の落ちる音さえ聞こえそうな店内で、
「あった、あった、これだ!!」
という声が、喜びの声であったにもかかわらず、全身総毛だってしまうほど、里紗は驚いて飛び上がってしまった。
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