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「ハルちゃん」
……
「ハルちゃん」
誰だろう? 私を呼ぶ声がする――
「ハルちゃん。おきて」
……お母さん?
お母さんの声。
お母さんの匂いだ。懐かしいな……
「ハルちゃん。起きなさい」
髪を撫でる優しい手のひら。
ずっと、こうしていたい……
「ハルちゃん。
私はもう行かなくちゃいけないわ」
どこに? だめ、もう少し。
話したいことが、いっぱいあるの。
――お母さん。あのね
ちっとも口が動かない。言葉が出ない。
「泣いちゃダメ。大丈夫よ。
この宇宙にいる限りあなたは一人じゃない。いつも見ているわ」
お母さん……
あのね……おかあさん――
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