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それからの毎日は楽しくて笑顔が溢れていた。美咲ちゃんと一緒にいると家での嫌なことも忘れることができた。
わたしと美咲ちゃんは、十二月の寒空の下屋上でお昼の時間を過ごした。美咲ちゃんはお弁当、わたしはパンを食べていた。
寒いので屋上には誰もいなくて貸切状態だ。
「ねえ、美咲ちゃんは友達がたくさんいるのにどうしてわたしなんかと友達でいてくれるの?」
わたしは、魔法瓶の蓋をあけてコップにお茶を注いだ。温かいお茶を注いだコップを両手で包み込みながら聞いた。
「友達ね……。わたしの周りにいる子達は、わたしの可愛い顔に憧れていたり、わたしの誕生日会に出たいとか、そんなことのために友達でいる子達ばかりだよ~」
美咲ちゃんは、ふうっと溜め息をついて言った。
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