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『言えなかった言葉』の朗読を発表した。
「わたしは家族に、今まで言えなかった言葉があります。わたしのお母さんに言いたいことがあります」
会場にいる知らない人達がわたしの朗読に耳を傾けている。
「わたし、昔はお母さんのことが好きでした。クリスマスに動物園に連れて行ってくれたこともあります。楽しかったな」
そう、お母さんもわたしに優しい時もあった。
「だけど、今のお母さんは分厚い化粧をすることに命を懸けて、わたしのことなんてまるで無視しています」
そこまで、話したところで、わたしはひと息ついた。
そして、何気なく会場に目を向けると、なんとそこには、お母さんがいた。
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