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そんなある日の学校帰り。クラスで一番可愛い美咲さんがわたしの目の前を歩いていた。
ふわふわの美咲さんの髪の毛が左右に揺れて綺麗だなと思って、わたしは眺めていた。
と、その時、美咲さんは、急に立ち止まった。どうしたのかな? わたしは、そっと美咲さんが何をしているのか覗き込んだ。
すると、美咲さんは、可愛らしい白猫の頭を撫でていた。
「か、可愛いね」わたしは、思わず美咲さんに声を掛けてしまった。
「可愛いでしょ。この子ね、お家がないみたいなの」
美咲さんは、くるりと振り返りそう言った。
その表情はとても綺麗でだけどどこか寂しげだった。
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