〈第7落下地点〉

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「ない! ないない! それは絶…対、ない!」 思わず芽衣子ちゃんを身体から離して、首を激しく振った。 「芽衣子ちゃん…それは…靖子が言ったの?」 なんだか無駄にドキドキしてきた。 そんなワケないはずなんだけれど、万一? いやいやいやいや… 「あ…いえ…私がそう思っただけですけど…」 ほっ。だよね。 靖子が俺を好きなんて、絶対ありえないから。 「でもね、ヤスコがあんな風に特定の人を誉めるのなんて、滅多にないもの… だから…そうなのかなぁって… だとしたら…私はヤスコには敵わないから… 私の中だけにしまっておこうと…思ったの…」 言いながら、芽衣子ちゃんは俺の袖下を軽く引っ張った。 なんでそんな、いちいち可愛いかな。 「あのね、芽衣子ちゃん」 「きゃっ」 後ろ手に背中をぐっと押して芽衣子ちゃんと密着すると、芽衣子ちゃんが短く叫んだ。 再び、至近距離。 芽衣子ちゃんの潤んだ瞳に、俺の顔が映る。 「俺と靖子の間には、友情だけ。 すごく奇妙な、だけど。 なんで友達やってるのかも、正直分かんない(笑) でも、靖子が俺の書いたものに興味を持たなかったら、俺は芽衣子ちゃんに逢えてなかったよ…? そこは…悔しいけど、感謝しなくちゃ、ね?」 俺の言葉に、ふっと微笑んだ芽衣子ちゃん。 「ふふっ…はい…そうですね…」 「それに…」 芽衣子ちゃんの顎を軽く持ち上げて、親指で唇をなぞりながら…続けた。 「…芽衣子ちゃんには… …誰にも敵わないんですよ…? …俺を…こんなに… …ドキドキさせて… …心臓、もたないよ… ……どうしてくれるの……?」 顔を真っ赤にさせて、両手を俺の肩にそっと置いた芽衣子ちゃん。 「…相田さん… ……だいすき……っ」 掠れた声に 理性が吹っ飛びそうになった …
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