『発表会は未経験』

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「明日、発表会ですからねぇ...」 今年3歳の、2人の愛娘、さくらは明日、幼稚園の発表会なのだ。 年少さんで、生まれて初めての発表会でもあり、家族ぐるみで興奮気味なのは間違いない。 そもそも、子供を授かる前から、成嶋さんに赤ちゃんとか出来たら大変そう、といろんな人に言われてはいた。 絶対、甘やかす。 絶対、可愛がる。 出来た子供が女の子とあって、その可愛がりようは半端ない。 しかも身内の中で、初めての赤ちゃんだったので、大人皆に可愛がられて育った、さくらは少しおませな子で、そこも可愛いらしい。 先日あった、幼稚園での保護者面談では、『しっかりしていて、正義感が強い。』と言われた。 それって、間違いなく、炯さんの血ですよね。 「白雪姫だって?」 着替えていないので、ソファには座らず、ダイニングの椅子に座る炯だ。 一服しながら、葵に声を掛ける。 「みんなで、交代でやるんですって。」 「なるほどなー、そういうことか。」 炯がくすくす笑っていた。 炯が言うには、さくらに『お姫様なんだー、すごいなー。』と褒めたら、『おひめさまは5にんいる』と説明され、舞台にわいわいいるお姫様、を想像し、???となったらしい。 「さっき、5回は見せられたぞ。セリフも覚えそうだ。」     
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