『発表会は未経験』

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お茶漬けの準備をしていると、炯が本当にさっさとシャワーから上がってくる。 「ビール、飲みます?」 「今週、接待尽くしだったから、止めとくよ。大丈夫。お茶くらいは準備するしな。」 「じゃ、ご飯つけま...」 茶碗を持った葵を、冷蔵庫から、お茶を出した炯がすごく、じっと見ている。 「えっと...、どうした、の?」 「いや、オレのお姫様は相変わらず可愛い、と思って。」 つる、ごんっ! 「おい!葵!茶碗落ちた!割れてないか?平気?」 いや、平気でないです...。ある意味...。 茶碗はシンクに落ちたので、セーフだった、けれども。 「真っ赤だな?」 「う...」 頬を撫でられて、シンクに腕を付かれてしまうと。 あのっ...ダメなんですけど、近すぎて、ドキドキする! 「炯さん、ご飯...は?」 「食べる。」 「お茶碗...」 炯がちらっとシンクを見る。 「大丈夫そうだな。」 でなくて、お茶碗にご飯をもりつけたいかなって...。 「葵...」 「はい。」 「すげー、可愛い。」 「あ...のっ、ん...」 ダメ、キスが気持ち良すぎて、頭が真っ白に...。 「そんな蕩けそうな顔で見ないで。」 腰抜けそうです...。 幼稚園の発表会は近くの公民館を借り切って行われた。 「なんで、幼稚園でそんなデカい会場必要なんだよって、思ったけど。」     
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