『秘書は奔走する』

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『秘書は奔走する』

年末年始はお互いの実家を訪問し、結婚しますーと報告した、凛と貴広だ。 どちらの親もとても喜んでくれて、特に、貴広のご両親は涙を流さんほどだった。 もう、貴広は一生結婚しないものと…と。 や、そんな、大袈裟な。 ありがとう!と温かく歓迎してくれて、凛はとても嬉しかったけれど、どういう誤解を与える生活をしていたのか、と思うと、笑顔も生温くなる。 そんなあれこれで、貴広のパーソナルだ、と言っていた部屋に先日、荷物を入れた凛である。 寝室はまるっきり、ひとつ空いていたので、そこに凛のものを入れさせてもらった。 ちなみに最上階にある、貴広のもう一つの部屋も先日、凛のものを置かせてもらったのだが、こちらはスペースが広い。 他の階に3部屋あるところが、1部屋なのだ。 当然、3倍の広さがあるわけだ。 テーブルもソファもかなり、大きい。 リビングなど、簡単なパーティなら出来そうな広さだ。 「これ、維持すんの、面倒くない?」 案内しつつ、貴広がそう言う。 「まあ…。」 「下の部屋で充分だろう。」 「下も広いですけどね。」 「ゆっくりするのに広さは要らないんだよな。」 移動にも時間かかるし。
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