『秘書は奔走する』

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「じゃあー、お色直しとか3回くらいして、すごーく豪華な式にします?」 「いいね、3回といわず、4回でも5回でも。」 にっこり笑って返される。 くそう。これくらいでは全然動揺しないな。 「…という、訳で、好きなように、と仰るわけですね。」 凛の目の前にいるのは、ザ・秘書、の夏目である。 どうしたら良いのか分からないので、夏目を呼び出し、相談していたところだ。 「ま…あ。凛ちゃんの事、大好きですものねぇ…。」 「大好き、ですか。でも、夏目さんとしてはどうですか?」 「お式は社長と、凛ちゃんのお好きにされたら良いと思います。それはそれとして、社外へのお披露目はして頂けると助かりますね。イメージもありますし。」 にっこり笑う夏目。 だよねー。 「貴広さんと結婚する以上、お役には立ちたいんですよね…。」 「凛ちゃん…。」 夏目にがしっと手を握られる。 「お願いします!」 「やりましょう!」 なんだろ、秘書同盟?! 「ひとつご提案なんですけど、お式は身内だけで、お昼にお身内だけの披露宴をして、夕刻からお披露目パーティをするのはどうですか?お披露目だけなら、立食でもいいと思うんですけど。」 確かに、披露宴を準備するより良いかも、と思う。 「それがいちばん現実的ですね。夏目さん、手伝って頂けますか?」 「ええ!もちろん!秘書ネットワークも、フルに使いましょう!」 何だろう、最近この手の裏方を任されるとすごく燃えるんだけど、コレ秘書属性かな…。 完璧に仕上げた時に、達成感とか、勝利感を感じるんだよね。     
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