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『葵ちゃんの休日』
聞いてはいました。確かに。
バーベキューとかやるって、言ってましたよね。
「酒屋でーす!毎度!」
サザエさんかと思った。毎度って…。
朝からバタバタとインターフォンがなっている。
「炯さーん!酒屋さんです!」
「あ、こっちー!」
「成嶋さん、デッキっすよね。」
「はい。」
慣れてらっしゃる。酒屋のお兄さんが運んできたのは、生ビールの樽だった。
樽?生樽?
デッキを確認したら、2人でビールサーバーをセットしていて、デッキの右側に即席カウンターがあり、なかなかにカラフルな感じでお酒が並んでいた。
ビールサーバーって、お家で使うんだ...。
ガラス戸から覗いている、葵に気づいて、炯が笑顔を向ける。
「びっくりした?」
「まあ、驚いたけれど...。」
「ゴミが出ないし、回収に来てくれるから、サーバーのメンテはあるけど、楽なんだよな。あと、皆、すげー飲む。」
なるほど...。
「準備、大丈夫?」
「持ち寄りもありますからね。」
『肉は早瀬先輩が担当なんで、買わなくていい。』
炯にはそう言われた。
でも、ちょっと摘めるものとか、小さめのおにぎりとか、欲しくない?って聞いたら、あると嬉しい。
そう言ってくれたので。
「でも、負担は掛けたくないんだよなー。」
「大丈夫。簡単なものにしましょ。」
で、葵が選択したのは、サーモンのマリネ、セロリの浅漬け、じゃこと茗荷の和え物。
作るのはさほど大変ではないけれど。
休日の成嶋家。
来月、バーベキューやるから、と炯が宣言したときは、わー、やるんだぁって感じだった。
日が近づくにつれ、どこで?てか、うちだよね!
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