『葵ちゃんの休日』

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葵が入社した当時、奏はアシスタントマネージャーの下に付く、リーダーという立場だった。チームは3つ。 そのうちの一つを任されていたのが当時の元宮奏だ。 導入研修が終わり、店舗に配属になって、緊張で迎えた当日。 マネージャーを訪ねるよう言われていた葵が、店舗を訪れた際に、 「あなたのチームリーダーだから。元宮奏。なんでも相談しなさいね。」 と紹介された。 紹介されたその先輩の、目についたのは肌の綺麗さ。 顔立ちの綺麗さ。 髪は綺麗に一つにまとめられており、整いすぎな感じは少し冷たくも感じる。 「じゃ、奏、案内してあげて。」 「はい。」 「よろしくね。元宮奏です。」 「お願いします。羽村葵です。」 「羽村さん、立ち仕事、したことある?」 「バイトで少しだけ。近所のカフェですけど。」 「そっか。じゃあ、少しは大丈夫かな。一日立ち仕事って、結構大変だから。」 話始めると、奏は気取ったところがなく、むしろサバサバしている感じがした。 化粧品会社の社員になると言ったら、親に一番心配されたのはそこだったので。 『女ばっかりの世界でしょ?大丈夫なの?』と。 頑張ります!おかーさん。 「まず、バックを案内するね。」 バックヤードに入るためにはセキュリティ用のカードが必要らしい。奏はそれも準備してくれていて、その後、地下の更衣室に案内された。
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