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ぼんやりしている涼真に、薬を飲ませて、結衣はさっさと布団に放り込む。
涼真は布団の中から、手を出して、結衣の指を掴んだ。
「結衣さん、側にいて?なんか話してください。」
「なんでもいいの?」
「なんでもいいです。今度こそ、約款でも構いません。」
「じゃあ、仕事を持ち帰ってきたので、それでもいいですか?」
「はい。声だけ聞けたらいいんです。」
涼真はなにも言っていないけれど、布団をポン、ポン、と優しく叩きながら、柔らかい声で結衣が会議資料を読み始める。
「えーと、『当センターの今後の課題について、及びエスカレーション事案の対応等…』」
てか、本当にこんなのでいいのだろうか…?
しかし、それで良かったようで、5分も読んだら、涼真は寝息を立て始めた。
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