『ちょっとだけおまけのお話』

9/19
前へ
/177ページ
次へ
「涼真さーん。この、はちみつゆず酒っていうのが、すごく温まって、身体に良さそうなので、作ってみました。」 結衣がそう言って、カップに、そのはちみつゆず酒を持ってきてくれる。 「まあ、確かに身体に良さそうだね。」 そう言って、涼真は、一口飲んで、ん?となった。 口当たりに対して、アルコール度数が高い気がしたからだ。 「結衣さん?これ、何が入ってます?」 「えっとぉ?んー?佐野さんから頂いたんですけどぉ、スピリタス?ってなにかなー?」 「結衣さん、味見した?」 「もちろんっ!」 完全に酔っ払いだし、スピリタスはおそらく、スピリットのことだろう。 だとすれば、アルコール度数は、90度を超えるはずだ。 「佐野さん?なんて言ってました?」 「涼真さんに飲ませろって…。おいしーのに、ねぇ?」 完全に佐野のイタズラなのだが、まさか、結衣が味見で酔っ払うことは、想定していなかったのだろう。 …ったく、あの人は…。
/177ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5804人が本棚に入れています
本棚に追加