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「全員死んでしまったようだ……」
生命探知機がそのことを知らせている。
サーチ画面に写っている光はたったの2つ。
そう、僕と彼女を表すものだ。
ここは地下3,000メートルの場所に作られた核シェルター。
その日の核シェルター内設備の確認当番として彼女と一緒にそこへ入ったとき、異変が発生した。
そう、その瞬間地上から奥深く離れたこの場所にまで、確かな衝撃を感じたのだ。あきらかに禍々しい波動を。
急ぎ設置されているコンピューターにアクセスして事態を把握した。
地上は核の炎に焼き尽くされたことを。
そして人類はおろか、あらゆる動植物、文明、文化、歴史までもが一瞬で灰になったことも。
「……」
室内は薄暗いが、コンピューターの画面の光に照らし出された彼女の顔を見ると、無言のまま浮かない表情をしているのがわかった。
それはそうだろう、もうこの世には僕らしかいないのだから。
僕だって辛いし、悲しい……と言いたいところだが、実はこの悲惨としか言いようのない状況にも関わらず、内心ニンマリしているのも事実だったりする。
それというのも僕は、以前から彼女に対して強く思いを寄せていたから。
同僚に頭を下げたり、面倒な仕事を交代したり、時にはご馳走するなどして、なるべく彼女と一緒になれるようあの手この手をつくし続け、そして今、このような不幸(幸い?)な出来事に直面してしまったというわけだ。
この世は僕と彼女の二人きり。
これを運命と言わずして、一体何と言うのか!?
幸いにもこのシェルターには、空気の生成装置や地下水を組み上げる設備に自動発電機、風邪の治療から外科手術まで難なくこなす自動医療機械、米や野菜を栽培するスペース、そしてわずかながらの家畜もいて繁殖可能、餓死する心配はまるでない。
そう、人類は、ここから新たにやり直すのだ!
が、しかし……
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