72人が本棚に入れています
本棚に追加
/66ページ
(神の間(はざま))
閑話1-1 姫絽の家族。
_____________________________________
- 姫絽が亡くなって数日が経った頃 -
十和家では、晩ご飯中こんな話が出ていた。
「ゆう~。あのね。今日のお昼頃、学校から連絡があって、日曜日で構わないので、ご主人と一緒に来て貰えないですか?って言われたの。」
「? え!?姫絽居ないぞ?何でだ?」
「私も、分からなくて、友哉君の家に、電話掛けてみたのよ?そしたら、友哉君の家にも、学校から、同じような電話が、あったみたいで、困ってたわ。」
「分かった。ん。そうだな。丁度、日曜日仕事休みだから、友哉君の家の方と、一緒に行こうか。今日は、もうかなり、時間が遅いから、明日の朝でも聞いといてくれるか?」
「分かりました。」
そんな会話を交わしつつ、晩ご飯を食べていると、突然テーブルの上が光出し、その光が収まったら、テーブルの料理の上にフヨフヨと浮かんでいる、手紙を発見した。お互いが問題ない事を確認しつつ、裕樹が手紙を取る。 そこには、亡くなった筈の姫絽の字で、パパ・ママへと書いてあり、裏の名前の所には、最高神だかなんだか、わからんが、テルデウスさん?の名前と、パパとママ子供の姫絽よりと書かれていて、真ん中には、なんか判らんが、変なマークが付いていた。
「ひめ。姫絽からの手紙が来た。この最高神?テルデウスさんの手紙も一緒に入ってるみたいだ。読むか?」
混乱から落ち着いた、裕樹が、そう妻の姫華に答う。
「・・・!?」
だが、妻の姫華は、まだ混乱状態。
そこで、裕樹は、手を叩いて、姫華を覚醒させる。そして、もう一度、答う。
「ひめ。姫絽からの手紙が来た。この最高神?テルデウスさんの手紙も一緒に入ってるみたいだ。読むか?それとも聞くか?」
「…聞きます。」
かろうじて、そう返事をした。姫華。
「じゃあ、読むぞ。ん?あれ?姫絽の手紙がない。ああ、成る程…、まずは、最高神テルデウスさんの手紙を読んでくれって事か。成る程。『姫絽君のご両親様へ、初めまして、儂は、君達の世界で言う処の神、最高神である。君達の世界の最高神という訳ではなく、色んな世界を取り纏める神の間の最高神である。この度、この手紙を綴らせて、頂いたのには、訳がある。まず、姫絽君と友哉君の死じゃが、儂のせいじゃ。儂が、書類をちゃんと読まず、死亡許可印を押してしまったが為に、2人は亡くなってしまった。すまんと思っておる。この死亡許可がなければ、2人は、まだ、そちらの世界で生きて行けた。そう、寿命では無かったのじゃ。それで、なのじゃが、寿命ではない2人は、まだ輪廻の輪に乗る事が、出来ぬのじゃ。輪廻の輪に乗れなければ、2人の魂が消えてしまう。そこで、神の間の議会がこう決めた。2人には異世界に転生して貰って、前世の分まで、楽しんで貰おうと、そして、今のご両親である、お2方に最後の挨拶を交わして貰える事になった。そして、姫絽君と友哉君が、この度、巻き込まれたように、次回も同じ事が起きぬように、同じく議会で、儂の補佐を今までの0人から、2人に増やす事、各書類を扱ってる部署では、寿命の見えない者の書類作成や関わる事の禁止、但し、運搬はそれに含まず。と言う法や、各書類を扱う、TOPの天使の不正があるかも
なので、その補佐として、2名の天使の増員が決定した。2人のお陰でこうも、法が変わってくれたので、2人には、儂の権限で、異世界で困らぬようにと、色々と加護等、付けさせて貰った。急で悪いのじゃが、明日、午後2時にテレビをビデオモードと言うかの?それにして、待って居れば、2人と話す事が出来るようにする。これが最後のチャンスじゃ。勿論、記録して良いぞー。では、また、その時に詳しく話そうぞ。』だそうだ。」
「ふ・ふざけないで~。なんで、娘を亡くして、こんな事言われなきゃいけないの?」
その言葉を聞いて、裕樹が慰めつつ、こう言う。
「次の、姫絽の手紙聞かないつもりか? 少し落ち着け! な?」
「はい。すいません。姫絽の手紙読んでください。」
「じゃあ、読むぞ。『パパ・ママ 今まで、ありがとうね。親不孝な娘でごめんね? 私と友哉君は、そっちの世界に戻ることが出来ないらしいの、さっき、お爺ちゃんに聞いたの。あ、お爺ちゃんと言うのは、最高神様なんだけどね、私と友哉君は寿命が来てないのに間違って亡くなったから、その地獄で、天国に行くか、地獄に行くか、振り分ける事が出来ない魂になってしまったみたいで、そのままだと魂が崩壊? してしまうらしくって。だから、通常の輪廻の輪に戻るには、この魂のまま、転生するらしいの、それでね、お爺ちゃんが、私達の転生体(0才)の体を作ってくれるらしくって~、友哉と、色々、お願いしたの。そしたら、神の間からも最大限の事をって言われて、私達の転生体は、向こうの世界でもないぐらいらしいの。お爺ちゃん、体を作るの儂じゃから~、姫絽と友哉のじぃちゃんじゃ~よ~って喜んでるの。パパとママに最後にお話出来るの楽しみにしてるね。 姫絽。』だとよ。」
「!? え。嘘でしょ? 嘘だよね?」
「ま。良いんでね? 地獄に行くか、天国に行くか振り分けられないから、転生させる。良いんでないかと思うよ? それに、振り分けられてたら、地獄だったんじゃないかな? 親より、先に逝ったって事で、そうならずに、俺はホッとしてる。」
「あ。そうか。よく考えれば、そうかも、そう考えるとホッとするね。」
そんな会話をしていると、いきなり電話が鳴り出した。
- プルルプルルプルル -
「ホレなってるぞ? 学校のことで、友哉君とこの友音さんが、聞きたい事あるんでないか?」
「…わかった。出る。怖いから袖握らせて。」
「あ。はいはい。」
そんな会話の後、姫華が受話器を取り会話し出す。
「もしもし。」
『もしもし~。ひめかちゃん?今、良い?』
「ん。大丈夫?学校の事?」
『ん~ん。違う。晩ご飯食べてたら、いきなりテーブルが光って、テーブルの上に友哉と最高神様? の手紙が浮いてて、それを読んで、奏さんと家族会議して、もしかしたら、そっちもかな? と思って電話掛けた。ごめんね?』
「良いよ? あの手紙そっちにも来たんだ?」
『あ。やっぱり来てたの? 最高神様? の手紙読んだ後の友哉の手紙で笑ってしまった。』
「なんて書いてあったの?」
『ん~と。「父さん・母さん 今まで、ありがとう。親不孝な息子でごめん! 俺と姫絽は、そっちの世界に戻ることが出来ないらしい、さっき、爺ちゃんに聞いた。あ、爺ちゃんと言うのは、最高神様なんだけど、俺と姫絽は寿命が来てないのに間違って亡くなったから、その地獄で、天国に行くか、地獄に行くか、振り分ける事が出来ない魂になってしまったみたいで、そのままだと魂が崩壊? してしまうらしくって。だから、通常の輪廻の輪に戻るには、この魂のまま、転生するらしい、それで、爺ちゃんが、俺達の転生体(0才)の体を作ってくれるらしくって~、姫絽と、色々、お願いした。そしたら、神の間からも最大限の事をって言われて俺達の転生体は、向こうの世界でもないぐらいらしい。爺ちゃん、体を作るの儂じゃから~、友哉と姫絽のじぃちゃんじゃ~よ~って喜んでるぞ。父さんと母さんに最後に話が出来るの楽しみにしてる。 友哉。」って書いてあったわ。』
「あら、こっちと同じ手紙ような手紙だ。それで?」
『実はね、明日から奏さん、出張だったんだけど、私の体調が良くないので~って1日、ずらして貰ったみたいなの。それでね、一緒に、こっちで観ないかなって?』
「ん~。分かった。聞いてみる。」
受話器を一旦置いて、姫華が裕樹に聞く。
「友音ちゃんと奏さんが、明日、午後2時の奴、ウチで一緒に見ませんか? だって。」
「了解しといて~」
「ん。」
置いてた受話器を取りまた会話を姫華がしだす。
「裕樹さんが了解~。午後2時までにそちらに伺います~。って言ってた。」
『分かったわ。奏さんにそう伝えておくわね。じゃ、明日ね~。』
「ん~。明日~。」
会話が終わって受話器を戻す。姫華であった。
_____________________________________
《十和家(ときわけ)》
十和 姫華 女
十和姫絽の母
姫華という名前の由来は、お姫様みたいな、可愛く可憐な女性に育って欲しい。という願いから、姫華の両親によって着けられたらしい。姫華は、この名前をかなり気に入っている。
十和 裕樹 男
十和姫絽の父
裕樹という名前の由来は、勇気のある行動が出来、時には、木のようにどっしり構えて待っていられるような、そういう男性に育って欲しい。という願いから、裕樹の両親によって着けられたらしい。
《十城家(じゅうじょうけ)》
十城 友音 女
十城友哉の母
友音という名前の由来は、友の心の声があなたに聞こえ、声に出さないで、心で助けを呼んでいるあなたの友達を助けるような、そんな女性に育ってね。という願いから、友音の両親によって着けられたらしい。
十城 奏 男
十城友哉の父
奏という名前の由来は、心からきれいな音を演奏する事が、この子に出来ますように。という願いから、奏の両親によって着けられたらしい。
_____________________________________
次回、閑話、友哉の家族。
お楽しみに~!
最初のコメントを投稿しよう!