2人が本棚に入れています
本棚に追加
しばらくフラフラと運ばれた後、俺の体は男女兼用のトイレの中にあった。
停留所は「金髪とピアス」だった。
そこで俺は染料を髪に付け、髪に馴染むまでの間、ピンで耳たぶに穴を開けた。針の先で小さく丸い血が膨らんでゆき、音もなく破裂して指を滴り、タイルの上に短い糸を引きながら落ちた。
大便器に座ってしばらく氷で少し冷やした後、まだ癒え切らない耳に、俺は銀のピアスを通した。ずっとじんじんとした痛みが走っていたが、まるで自分の痛みではないみたいだった。
髪はすっかり染まっていた。俺は変わった自分をしばらく眺めていた。それに飽きると漠然とした不安でまた移動した。
ゴミとネクタイはそこに置いたままだった。
最初のコメントを投稿しよう!