自失の旅

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 しばらくフラフラと運ばれた後、俺の体は男女兼用のトイレの中にあった。    停留所は「金髪とピアス」だった。   そこで俺は染料を髪に付け、髪に馴染むまでの間、ピンで耳たぶに穴を開けた。針の先で小さく丸い血が膨らんでゆき、音もなく破裂して指を滴り、タイルの上に短い糸を引きながら落ちた。  大便器に座ってしばらく氷で少し冷やした後、まだ癒え切らない耳に、俺は銀のピアスを通した。ずっとじんじんとした痛みが走っていたが、まるで自分の痛みではないみたいだった。  髪はすっかり染まっていた。俺は変わった自分をしばらく眺めていた。それに飽きると漠然とした不安でまた移動した。  ゴミとネクタイはそこに置いたままだった。
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