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『おーい、砂羽ー。大丈夫ー?』  結局眠ることができなくて、午前中ずっとぼんやりしていたら、昼休みに亜希ちゃんからメッセージが届いた。私はベッドの中で、スマホに現れる文字を読む。 『遠野から聞いたよ。昨日あのあと帰り道で倒れて、美織先輩に助けてもらったんだって?』  遠野くんから? ああ、美織さんが遠野くんに話したんだな……。みんなに知られて、ちょっと恥ずかしい。 『うん。そうなんだけど。もう全然平気だよ』 『ほんとに?』 『明日はちゃんと学校行く』 『待ってるよ。でも無理しないでね』 『うん。ありがとう』  メッセージのアプリを閉じると、私はベッドから降りて窓の外を見た。  今日は朝から良い天気だった。窓を開けると、春の柔らかい風が部屋の中に吹き込んでくる。こんな気持ちのいい日に、部屋に閉じこもっているなんてもったいない。 「ちょっと散歩するくらい……いいよね」  私は自分に言い聞かせ、服を着替えて外へ出た。
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