49人が本棚に入れています
本棚に追加
『おーい、砂羽ー。大丈夫ー?』
結局眠ることができなくて、午前中ずっとぼんやりしていたら、昼休みに亜希ちゃんからメッセージが届いた。私はベッドの中で、スマホに現れる文字を読む。
『遠野から聞いたよ。昨日あのあと帰り道で倒れて、美織先輩に助けてもらったんだって?』
遠野くんから? ああ、美織さんが遠野くんに話したんだな……。みんなに知られて、ちょっと恥ずかしい。
『うん。そうなんだけど。もう全然平気だよ』
『ほんとに?』
『明日はちゃんと学校行く』
『待ってるよ。でも無理しないでね』
『うん。ありがとう』
メッセージのアプリを閉じると、私はベッドから降りて窓の外を見た。
今日は朝から良い天気だった。窓を開けると、春の柔らかい風が部屋の中に吹き込んでくる。こんな気持ちのいい日に、部屋に閉じこもっているなんてもったいない。
「ちょっと散歩するくらい……いいよね」
私は自分に言い聞かせ、服を着替えて外へ出た。
最初のコメントを投稿しよう!