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 私と同じ制服を着た、二人の生徒。見覚えのある飲み物のカップを持って、寄り添い合うように歩いている。  咄嗟に私は、近くにあったコンビニに駆け込んでしまった。  何やってるんだろう……私。  本を立ち読みするふりをして、店の窓から外を見る。  人ごみの中を歩いてくるのは、遠野くんと美織さんだった。遠野くんはいつもみたいに笑っていて、美織さんも笑顔だ。  よかった……二人とも笑ってる。  どうしてだろう。なんだかすごくホッとした。でもなんで私、隠れたりしちゃったんだろう。  ふざけて何か言った遠野くんの肩を、美織さんがくすくす笑いながら叩く。肩に触れた美織さんの手を遠野くんが握って、そのまま二人、指と指を絡めるようにつなぎ合った。  私はそんな二人が通り過ぎていく姿を、ぼんやりと見送っていた。そしてなぜか始業式の日に会った、遠野くんの姿を思い出した。 『ほんとにごめん! 立てる?』  そう言って私の前に差し出された、遠野くんの手。私がその手に触れることは、これからもきっとない。
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