34人が本棚に入れています
本棚に追加
プロローグ
ーーー光ある所に漆黒の闇あり。
この世界は、常に闇の存在に狙われていた。
「はーはっはっはっはっはっ!!」
棒読みに近い高笑いをあげ、『シャドウアーク』の幹部、『魔刻姫シュワルツローゼ』は天高くサーベルを掲げた。
美しく黒い長髪に、鋭く切れ長な目。
右頬に刻まれた黒い薔薇の紋章は、彼女の美貌を示すように妖しく輝いていた。
彼女が属する『シャドウアーク』は世界征服を狙う悪の組織である。
シュワルツローゼは組織の中でも指折りの剣の達人であり、最高幹部『ドゥンケルケーニッヒ』の側近として日々世界を征服するべく活動しているのだ。
「ゆけ!アーク怪人ゲメインハウンド!今日こそ世界を我らの手中に治めるのだ!」
シュワルツローゼの命令を受け、配下の怪人が雄叫びをあげる。
しかし、闇のある所に必ず光は存在しる。
悪の跳梁を妨げる、正義の使者も存在するのだ。
「そこまでよ!シュワルツローゼ!」
天空より声が響き、赤い光がシュワルツローゼの前に舞い降りる。
光から現れたのは、赤いコスチュームに身を包み、花があしらわれたステッキを手にした女性だった。
「魔法少女、リヒティブルーム!見・参!」
魔法少女リヒティブルーム。
彼女達は聖魔法協会により選ばれた光の御子で、闇と戦い人々を守る使命を持っている。
リヒティブルームとシュワルツローゼは、何度も激戦を繰り広げたライバルであった。
「来たか、リヒティブルーム!今日こそ決着をつけてやる!」
「望むところよ!あなたの悪事、止めてみせる!」
二人はサーベルとステッキを構え、互いに駆け出した。
世界を支配するため。
世界を魔の手から救うため。
今、最大の決戦が始まろうとしていた。
最初のコメントを投稿しよう!