プロローグ

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プロローグ

 ーーー光ある所に漆黒の闇あり。  この世界は、常に闇の存在に狙われていた。 「はーはっはっはっはっはっ!!」  棒読みに近い高笑いをあげ、『シャドウアーク』の幹部、『魔刻姫シュワルツローゼ』は天高くサーベルを掲げた。  美しく黒い長髪に、鋭く切れ長な目。  右頬に刻まれた黒い薔薇の紋章は、彼女の美貌を示すように妖しく輝いていた。  彼女が属する『シャドウアーク』は世界征服を狙う悪の組織である。  シュワルツローゼは組織の中でも指折りの剣の達人であり、最高幹部『ドゥンケルケーニッヒ』の側近として日々世界を征服するべく活動しているのだ。 「ゆけ!アーク怪人ゲメインハウンド!今日こそ世界を我らの手中に治めるのだ!」  シュワルツローゼの命令を受け、配下の怪人が雄叫びをあげる。  しかし、闇のある所に必ず光は存在しる。  悪の跳梁を妨げる、正義の使者も存在するのだ。 「そこまでよ!シュワルツローゼ!」  天空より声が響き、赤い光がシュワルツローゼの前に舞い降りる。  光から現れたのは、赤いコスチュームに身を包み、花があしらわれたステッキを手にした女性だった。 「魔法少女、リヒティブルーム!見・参!」  魔法少女リヒティブルーム。  彼女達は聖魔法協会により選ばれた光の御子で、闇と戦い人々を守る使命を持っている。  リヒティブルームとシュワルツローゼは、何度も激戦を繰り広げたライバルであった。 「来たか、リヒティブルーム!今日こそ決着をつけてやる!」 「望むところよ!あなたの悪事、止めてみせる!」  二人はサーベルとステッキを構え、互いに駆け出した。  世界を支配するため。  世界を魔の手から救うため。  今、最大の決戦が始まろうとしていた。
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