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 パトカーのサイレンが聞こえてきた。  「大人を甘く見てると痛い目見るぞ。行け」  ガキどもはそそくさとその場から走って逃げていった。 中年は倒れ込んだまま、ううっと唸っていた。 「大丈夫ですか」 「なんとか」  ー出所早々、散々だ。 「刑務所から出てきたばっかりで、こんな騒ぎを起こしたら どうなるかわかってるんだろうな」 「はい」 「何年入ってたんだ」 「七年です」 「罪状は」 「殺人です」 「もしかして、冬越シュウか」 「はい」  俺は小さくうなずいた。
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