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 俺は、銀龍会最大勢力の臼井組を立ち上げた。 金融、不動産のビジネスを始めて一年。  「お金借りたいのですが」  「いくらだ」  「一〇〇万円です」  「返済はどうする」  「安いバイト代ですが、なんとか」  「そうか。じゃあ、いい仕事紹介しよう」  風俗の仕事だ。  「月二〇万は稼げる」  「本当ですか。ぜひ、働かせてください」  軽い気持ちで闇を知らずの真面目な奴が俺らの商売相手だった。  「じゃあ、今日から」  男をちっとも知らない女だった。一生懸命で色気はないが売り上げは上々だった。稼ぎは当然二〇万なんてなかった。そんな自分でも稼げると思った馬鹿正直だった。ユカという名前だ。
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