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ビルの間を吹き抜ける突風の様な激しいものではないにしろ、さえぎるものがまるでないここは12月の冷たい風が容赦なく吹いて来ていた。
四人はひとまずそこに座り、意味もなく空を見上げていた。
誰も話そうとしなかった。
皮膚をひっかくような冷たい風が顔にあたるものだから話す事がおっくうなのだ。
歩く事さえしなくなったものだからたいして時間が経たないうちに体が冷えてきて指先がジンジンと痛くなってくる。耳の先がひりひりし始める。冷たさのあまり鼻で息をするのも辛くなってくる。
ろくに時間が過ぎぬうちに子供たちはうんざりして来てしまった。
「おいジャスティン、本当に来るのかよ。」
ネオが言った。
「それを確かめるんだろ。」
めんどくさそうにジャスティンが返す。
「一晩こんなの続けるなんて気が遠くならぁ。」
「黙れよネオ、まだここへ来て30分も経っていないんだ。」
マックが言うとネオは目を丸くした。
「もうかれこれ2時間は居るかと思ったよ。」
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