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再びの沈黙。
動こうとしない静物ばかりの灰色の視界を瞳に映しながら子供たちは寒さの中でじっと耐えた。
そもそもこんな静的な事態は動的である子供にとって非常に苦痛なものであったが、雪遊びをして待とうとか、駆けまわって体を温めようとか、動き回る元気を奪う寒さがそれをさせなかった。
根が生えたように四人は黙って座っていた。
そのうちカチカチとおかしな音が鳴りだした。
ジャスティンが怪訝そうにそちらに向くとネオが小刻みに震えて歯をならしていた。
「ネオ、大丈夫か?」
ネオは震える声で平気だと答えたが顔色は良くなかった。
「ねぇ、みんなでくっつかない?賭けをしているからって何も離れて座る事もないと思うの。みんなで背中をくっつけて座ったらいくらかましになるんじゃないかしら。」
ニネットが提案した。
「そうだな、ネオもきつそうだしそうすべきだな。ネオとニネットは風下側で俺とジャスティンは風上な。良いよなジャスティン。」
マックの言葉にジャスティンはもちろんだと答えた。
「あら、私は寒いの平気よ。」
「じゃぁあとで代わってくれたらいいさ。」
「うん。」
四人は背中をくっつけて座りなおした。
意外にもネオ以外も体を震わせていて皆が凍えていた事が明白になった。
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