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第一幕:子供の事情
第一場:教室で
賑わう休み時間の教室中が注目した程にどっと起こった笑いがとり囲む中で、拾ったばかりのごみを屑籠に放ると、周りに反発するように彼は軽くあごをあげた。
おかしなことは言っていない、お前らがおかしいんだと、無言のままに眼差しで語る。
その様子にひときわ大柄な少年が明らかな侮蔑を声に混ぜて言った。
「ジャスティン君はいくつかなぁ?もう五歳になったのかなぁ?」
「お前と同じ十歳だよマック。」
そう呼ばれた大柄な少年は再び笑った。
「十歳にもなってなんだって?サンタがいる?おい聞いたかみんな。」
周りの者達も口々に彼を馬鹿にするような言葉を漏らした。
「あのなぁ?ジャスティン、朝枕元にプレゼントがあるのはな?親が置いてんだよ!」
「マック、そう言う事言っちゃかわいそうだよ。ジャスティンちは貧乏だからいつもプレゼント無いんだからさ。」
「そうそう、買えない親だっているんだよ。察してやれよマック。」
周りから浴びせられる声に眉を寄せるジャスティンだったが、取り囲みのさらに外から声が飛んできた。
「ちょっとひどいわよ!ジャスティンの家にはお母さんしかいないの知っててそんな事言うなんて!」
「いいんだ、ニネット。こいつらは知らないだけなんだから。」
ジャスティンが周りに聞こえるようにそう答える。
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