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ニネットは祈っていた。
サンタが実在しますように、ではなく、サンタがジャスティンの元に来てくれますようにと。
これまで彼が重ねてきた事の総てを見てくれていますようにと。
そうでなければこの先のジャスティンはきっととても脆いものになってしまう。
世界は最後の良心を残してくれていますようにと。
ジャスティンは何も考えないようにしていた。
今夜起こる事、起こらない事、すべてをありのままに受け入れる事に決めていた。
先入観を持たず、期待も悲壮感も持たず。
ただ、聖夜の奇跡が起こるのかどうかを見極めようと思っていた。
吹きつける風の中に冷たいものが混じり始めていた。
再びの雪の予兆にも子供たちはいつものように心を躍らせることはなかった。
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