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大樹。
いまだかつて見た事もないほど巨大な大樹がその中にあった。
全員が息をのんだ。
星明かりを受けてなのか、あるいは自らそうしているのか、大樹には光の玉がちりばめられていた。
それだけではない、竜巻がさえぎる中よくよく見れば柊の飾りや羊飼いの杖、金色のベルまで輝いている。
目の前の光景が日常から逸脱しすぎていて言葉が出ない。
そんなことはおかまいなしに竜巻はさらに雪を巻き上げ、そして派手にそれらを撒き散らして唐突に消え去った。
大芝原のエリアのあちこちにどさどさと雪が落っこちて重い音を立てる中、四人の子供たちの前には竜巻の何倍も巨大な大樹がそびえていた。
闇を照らすかの様に内から光をにじませ、数え切れないほどのオーナメントで身を飾り、あちこちにろうそくの灯をともして、確かにそれは目の前に登場した。
その幹があまりにも太いので向こう側の景色が完全に隠れてしまう程にそれは巨大だった。
ジャスティンは一歩踏み出し、そして見上げた。
視界いっぱいが張り出した枝でふさがれ空が一切見えなくなっている。
上が見えないものだからベツレヘムの星があるのかどうかは見えないが、これは間違いなくクリスマスツリーだ。しかも、想像を絶する大きさの!
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