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彼女はショックを受けていた。
家計を支えるために働かなくてはならなかったが、息子はそれを理解してくれていると勝手に思っていたのだ。
そして今回息子がなぜこのような事をしたのか全く理解できなかったからだ。
寒々とした煌びやかな闇の中でジャスティンの母親はその事実に気付き、そして気づいていなかった事にさえ気づき、愕然とした。
自分は何をやっていたのだろう。何のために仕事を優先していたのだろう。そこに正当な理由などあるのだろうか。
次々と自責の念が湧きあがってきた。
母親でありながら息子に甘えさせてあげないどころか自分が甘えていたのではないだろうかと。
母子家庭である事がハンデであると思わせない為に、仕事には一切支障が出ない印象を持たせ続ける為に、人よりも有能であるように印象付ける為に、自分はどれほど母親である事を放棄してきたのだろう。
家に戻ると無理からの解放につい疲れが出て自分を優先してしまい息子と向き合うことをせず、さらには明日職場で戦うための準備をしてしまう。
息子を探しながら自分は息子が行きそうな、興味を持ちそうなものがなんであるか知らない事にも気づかされた。
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