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でも仕方ないじゃない、偏見から職を失ったりしたら生活を支えられなくなるのだもの。いくらか仕事を優先してもそれは無理もない事よ。
そんな言い訳を自分にして見せた。
しかしその一方で、そう言う事をしている後ろめたさからジャスティンに向かい合う事ができなかったのではないの?と言う別の自分の声も聞こえていた。
12月の寒さだけではなく自責の念がジャスティンの母親を一層凍えさせていた。
探すべき場所がわからないものだから彼女はやみくもに計画性も無く歩きまわった。
寒さのあまり足が上がらなくなって来てもそれでも歩いた。
意識がもうろうとし、足元がおぼつかなくなってきた頃、偶然にもニネットの父親に出会った。彼もまた娘を見つけられずにいた様だった。
ニネットの父親はジャスティンの母親が限界に来ている事を見てとり、一度自分の家に連れて行く事にした。
ふらつく彼女を支えながらニネットの父親は歩き、途中合流した妻と共に家に迎え入れた。
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