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息子はすぐには答えなかったが母親は辛抱強くそれを待った。
そして小さな声で答えは返った。
「届いたよ。」
「なぁに?もう一度言って。」
「届いたとも!」
今度は大きな声だった。
「サンタは来たんだ!俺達は全員それを受け取った。あれは嘘じゃない!もし今、あそこにツリーが無かったとしても、俺達が居た時にはあったんだ!」
「そうよ、間違いないわ。」
ニネットがはなれた所からそう言った。
ジャスティンの母親はそれに振り返らずただ息子を見ていた。
そしてしばらく黙っていたのちにこれまでジャスティンが見た事もないくらい柔らかに表情を和らげた。
「そう。」
「ああ。」
「来たのね。」
「来たよ。」
「よかったわ。ジャスティン。」
息子を胸に抱きしめてジャスティンの母は深いため息をついた。
「なんだよ、笑わないのかよ!」
母親の腕の中でジャスティンは抗議の声をあげた。
「どうしてよ。あなたが良い子だって認められたんじゃない。母親としてこれは喜ばしい事だわ!そうだ!あなたが大丈夫な様ならこれから買い物に出かけましょう!」
ジャスティンは身を引き放し母親の顔を見た。
「買い物?!」
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