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第三幕:大人達の夜
最初にそれに気づいたのはニネットの父親だった。
枕元にそっとプレゼントの箱をおくと布団を深くかぶって眠っている愛おしい娘の寝顔を見ようとそっとそれをめくった時に発覚したのだ。
「ニネットが居ない!」
フォースグレード(日本で言う小学四年生)の娘が真夜中に寝床にいないなんて事があってたまるだろうか!
ニネットの父親は妻にそれを告げ、娘と親しくしていた友達の親に電話をかけた。
親に内緒でクリスマスのパジャマパーティでもしてくれていれば良いとそう願ったからだ。
所が同性の友達の親の総てからそうではないと言う確認が取れてしまった。
次に連絡したのは幼馴染のジャスティンの家だった。
まさか男の子の家に泊まりに行くなんて事はないだろうが何か知っているかもしれないと思ったからだった。
連絡を受けたジャスティンの母は事態の深刻さを感じ、息子を起こしてでも何か知っていないか確認を取ろうとした。
所が、なんとジャスティンも寝床に居ないかったのである!
ニネットの父親は警察に連絡する事に決め、ジャスティンの母親は防寒具を着こんで真冬の空の下に息子を探しに飛び出した。
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