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目覚める少年と世界……
その白い2羽のかもめは、まるで痴話喧嘩でもするかのように、葵くすんだ空を天高く舞い上がる。
地平線見える瀬戸際の緑の大地たち。
海の潮風にのる2羽のかもめを見送るかのように、白い高台にある鐘は、ゆれ、街の多くの人々たちは、空を見上げる。
2羽のかもめは、顔を見合せるかのように、遠い青い海の地平線の彼方へと消えていく…………
「……………………」
四角い窓からかくばった光が少年の顔を射す。
少年は、ウゼぇというといわんばかりに、不甲斐な顔全開で射すような光を手で払いのけ小さなベッドのうえで目を覚ます。
「……………………」
寝ぼけまなこ少年は、腹を軽くかきながら小さな花が1りん活けてある小さな茶色の机を見つめる。
少年は、その机の上に置かれた小さな古いナイフを手に取り、チリでもはらうかのような素振りをし、ベッドの椎にかけられた古い鞄の中へといれる。
「……………………」
壁にかけられた古い世界地図。少年は、それを注視するかのように見つめ、古い部屋の扉をあけた。
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