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その翌日。
「ゆめびりかってあるじゃないですか?」
「ほあ? 何ピカチュウ?」
「ゆめぴりか。お米の名称です。日本の北海道で育成されたイネの品種の1つだそうで……」
「へ、へえ。そうなんだ?」
「"ぴりか"ってどういう意味かご存知ですか? アイヌ語で『良い』『美しい』『きれいだ』『立派だ』『豊かだ』という意味で……」
「ほほぉ~」
どうしよう。神米に話しかけて以来、お米大好き人間に認定されている。
どちらかといえば、朝はパンと紅茶なんだよ。でも気を使ってくれている愛理くんに悪いから、お米好きをアピールしておこうか。
「いやあ、博識だねえ愛理くん。そう! ぼくはお米が大好きでね! 米があれば生きていけるんだ。普段はチャーハンをおかずにご飯を食べたり、おかゆをカレーみたいに、ご飯にかけてさ。名付けておかゆライス、なんちゃって」
「………へーえ」
その時の愛理くんの表情といったらもうね。その返事で察してほしいね。
神米には助けてもらったけど、この仕打ちはなんだい。
これが本当の、オー米ゴッド。なんてね。
「……所長、私今日は、早退させていただきます」
愛理くんが早退した。
だからなんでぼくの心が読めるんだよ。
しかも帰っちゃったよ。仕方ない。カップラーメンでも食べようか。
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