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「祐ちゃんは、私と離れても平気なんでしょ? 私は無理だよ…ツラ過ぎる…。」
「沙都、1年だけの辛抱だって!」
「1年は長いもん!」
「すぐだ!」
「長い!」
「長くない!」
祐ちゃんが、私の顔を覗き込む。
「沙都、好きだから。」
ゆ、祐ちゃん!私だって…。
そう思った瞬間に涙がポロリと溢れ落ちた。
「祐ちゃん…」
「泣くなよ、沙都。
おまえが泣いたら、俺どうしていいか分からなくなる…。」
祐ちゃんは優しい、だから好きになった。
その優しさを素直に受け止められない私は、どうしたら良いんだろう。
「祐ちゃん、なんで一人で行くの?
どうして一緒に行こうって、言ってくれないの? 私は待ってるしか無いの?」
もしも、祐ちゃんが心変わりしたら?私はどうなるの…。もう不安しかない。
祐ちゃんが、私を抱きしめる腕に力を込めて呟いた。
「心配なんだ…。」
「えっ?」
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